間に、何かの関係があるのではないかというような変な考えを起こさないとも限らないので、悪くするとこの法律は藪蛇になると不可ない。だから、私有財産制度の方を思い切って除いて了った方が、この際万全の策ではないかと思うのである。代議士諸君が資本家の代弁者であれば別だが、そうでない限り之に苦情はない筈だ。いや苦情は尤もだが、併し同じ物を売り出すならば評判のいいレッテルを貼った方が得策だろうではないか。
 この点はすでに東京朝日新聞の論説にも説かれていたが、とに角今度の改正案によると私有財産制度の否定の方は非常に影が薄くて国体変革の方が著しく光って眼につく。同紙によると(一月三十一日付)これは、最初の治安維持法制定の時期に於て、之によってブルジョアジーの利益を擁護しようとする目的を持っていたことの名残だそうで、それならば益々治安維持法の名誉のために、又ブルジョアジー自身の名誉のためにも、私有財産への遠慮は捨て去って了うべきだろう。改正法律によると「予防拘禁」(第五章)ということが発明されているが、それは国体変革の罪人だけに通用するので、私有財産否定の罪人には適用されないことになっているのは、或いは
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