的蓄積と整頓とはやがて理論を生みいだす。之が普通悟性乃至理性の仕事と考えられているものである。理論は経験から経験的に発生したものであるが、併し一旦理論という形にまで経験的に抽象された以上、この理論はその後の経験の指導に当ることが出来る。経験の一つ一つは其後と雖も無論理論的なものではないが、そういう経験が進行する軌道を導くものが理論であるので、そうでなければ理論は経験から区別される理由を見出し得ない。理論的な原則・原理が経験的なものでないと考えられ、従って先天的乃至先験的なものと考えられ易い所以である。
 故に模写とは常に認識構成の過程に即してしかあり得ない。処がこの認識構成の原動力は、それが感性から始まった通り、思考的なものではなくて実践でなくてはならぬ。処で実践は感性から始めて実験・産業などの内容を含んでいる。その意味に於ける実践を媒介として初めて認識は成立、発達するのであり、そしてそれが実在の模写ということである。併し模写説は元来特別な認識理論を意味するのではなく、寧ろ認識ということは模写ということに他ならないという、一つの端的な事実を云い表わすに過ぎない。認識は無論真理でなければ
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