ものに他ならぬが、人間のこの実際生活を助けるものが真理ということである。即ち真理とはこの意味に於て有用、有益、有利な手段であって、道具の如き性質を有つと考えられる。但し注意すべきは、この主張が決して、何によらず都合のよいものでさえあれば真理であるという結局真理否定に他ならぬ一種の懐疑論ではないということである。主観の得手勝手な都合に一致するということは何等真理を意味しない。何故ならそうした全く主観的な態度を以てしては実際上決してやって行けないからである。従ってジェームズが真理を生活に有用なものと規定する場合の生活とは人間の社会的な実際生活のことでなければならぬ。この社会的生活を実際的に促進させる用具が真理というものだというのである。彼によれば真理とは、「吾々の経験のどれか一部から他の一部分へ、吾々を成功的に持って行って呉れるような一切の観念」のことだと主張する。彼によれば、このような真理でなければ「実在を変革する」ことは不可能だというのである、つまり実践的な真理ではないというのである。
プラグマティズムに於ける卓越した観点は、真理のこの実践性への着眼にある。その意味に於ける真理の道具
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