となり、倫理乃至道徳に於ては現実主義となり、神学に於ては実念論となる。哲学で実在論と呼ばれるものは、主として認識理論の一つの立場を云い表わす。又哲学でも数理哲学では数学的実在論となる。問題を哲学乃至認識論に限定しよう。
実在論の最も典型的な模型は、素朴実在論である。之は、人間の認識は与えられた客観的事物をそのまま模写するものであるという主張に立つと云われている。処が観念論者は之れを批判するに際して様々の改釈を施すのであって、或いは客観的現実そのものが、全体的に一遍でありのままに模写されるという主張に直したり、或いは逆に、人間の意識にのぼるものがそのまま実在に照応するという主張に直したりする。前の場合ならば認識の発達・誤謬の発生というものの説明が出来なくなり、後の場合ならば、空想や妄想と現実性のある観念との区別はなくなる、と云って非難する。のみならず、実在が主観に対立する客観のことであるとか、又認識とはこの客観を鏡のように写すものだとかいう考え方は、全く常識的な観点を出ないもので、批判と反省とを経ない素朴な認識論にすぎないと非難されるのである。自然科学者は往々之を採用すると云って非難さ
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