フ書物に於ける研究方法の中にすでに、何故彼が祖国防衛主義者とならねばならなかったかが暗示されているとも云われている。
 上記以外の労作は多く Neue Zeit 誌上に発表されたが邦訳となった著述は『階級社会の芸術』(蔵原惟人訳)、『芸術論』(外村史郎訳)、『文学論』(外村史郎訳)、『マルクス主義宗教論』(川内唯彦訳)等である。何れもマルクス主義的文化理論の典型と看做される。全集(リヤザーノフ編集、ロシア版二六巻、一九二三―二五)が出ている。


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[#中見出し]弁証法 ベンショウホウ 【英】Dialectic【独】Dialektik【仏】Dialectique.[#中見出し終わり]
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 ギリシア語 〔dialektike^〕 に基く。弁証法とも訳す。本来会話の技術又は弁論の仕方を意味する言葉であったが、哲学上の一定の用語として用いられるようになってからは、様々の変遷を経て今日に至っている。一応の哲学史の上では弁証法は、特定の幾人かの併し多くは非常に優れた哲学者の、思想の内にだけ現われるかのようであるが、併し実は之は意
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