具体的な形を取ったものである。併しフィヒテの観念論がカントの夫と異なる特色はそれが何よりも専ら倫理的或いは宗教的であった点に存する。と云うのはフィヒテにとってはカントが実は最初の問題となし、後にはまたシェリングが取り上げた処の自然という概念は、至極軽い位置をしか与えられていないのである。フィヒテの全集は同じく哲学者である息子の小フィヒテによって出版された(本集八巻、遺稿三巻)(一八三四―五年)。メディクス(F. Medicus)の編纂にかかる選集(六巻)(一九〇八―一二年)がある。
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参考文献――Hase, K., 〔Tenaisches Fchte−Bu:chlein〕, 1856; Loewe, J. H., Die Philosophie Fichtes, 1862; Lassalle, F., Die Philosophie Fichtes und die Bedeutung des deutschen Volksgeistes, 1862; Windelband, W., Fichtes Idee des deutschen Staates, 1890;
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