der sogenannten Philosophie〕, 1793)を書き、認められてラインホルトの後を襲ってイェナ大学の教授となる。翌九四年大著『全知識学の基礎』(Grundlage der gesamten Wissenschaftslehre, 1795)に著手した。当時大学に於ける学生に対する彼の影響は極めて大きく、そして彼自身之に重大な意味を認めていたのである。人類の道徳的教育こそが『学者の本分』(一七九七年の著書)だと考えられたから(一八〇五年には『学者の本質』〔U:ber das Wesen des Gelehrten〕 を講演した)。さて彼の主著によれば、カント哲学の欠点は統一と体系とに乏しいことに存する。カント哲学は原理によって組織的に「発生的方法」に従って展開されねばならぬ。併しそうするためには知識の根柢、諸学の基礎を論ずる「知識学」こそ真の哲学でなければならない。かくてカントの所謂物自体は絶対自我の概念にまで変更されるべきであり、そしてこの自我とは外でもない行為的・実践的な事行(Tathandlung)そのものに外ならぬ(カントに於ける実践理性の優位がこれ)。絶
前へ 次へ
全200ページ中19ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
戸坂 潤 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング