ェ、人間的経験乃至認識に於て最も基本的な段階にあるものが自然科学的知識だからである。尤もその際、すでに述べたように、自然科学と社会科学との原則的な区別とその連関とを見落すことは、再び例の科学主義や技術主義や機械論に陥ることだが。
この場合まず注目すべき要点は自然科学の方法に関してである。普通自然科学の方法は、説明にあるとか因果づけにあるとか法則の付与にあるとか、と云われているが、そういう規定よりも大切なものは、一体自然科学の方法とは何を指すか、である。独り自然科学に限らず一般に科学の方法とは何か、ということである。方法(Methode)の科学手段(Mittel)と狭義の科学方法(Weise)とに区別されなければならぬ。自然科学はまず観察実験したり統計を取ったりして材料を占有吟味した上で、この材料の間の法則的な関係を惹き出すべく数学的解析操作をしたり概念上の分析操作をしたりする。と云うのは、実験や統計の出発点としても又その整理のためにも、すでに自然科学的諸法則を云い表わす公式の方程式的処理や、根本概念の分析定着が必要であると共に、逆にこの方程式や概念を決定するものが、又元来実験や統計だ
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