科学の基礎理論は歴史哲学としての元来の性格を愈々著しくして来たわけである。
ディルタイは所謂生の哲学の代表者としてフッセルル(E. Husserl)等の厳正科学としての哲学から批判されたが、晩年の彼はフッセルルから多くの示唆を受けたように見える。ハイデッガー(M. Heidegger)等は丁度この二人の立場を媒介する位置を占めるとも云われるであろう。ディルタイの方法から決定的な影響を受けた者の中では、シュプランガー(E. Spranger)、フリッシャイゼン・キョーラー(〔M. Frischeisen−Ko:hler〕)、ノール(H. Nohl)、ミッシュ(G. Misch)、トゥマルキン(A. Tumarkin)等が著名である。併し元来体系を組織することに努力しなかったディルタイの哲学は通常の意味での後継者を持っていない。
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論著――De principiis ethices Schleiermacheri, 1864; Leben Schleiermachers, 1870; Einleitung in die Geisteswissenschaften,
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