驍烽フの内容をなす。
 【社会科学の方法】  まず社会科学は社会をその歴史的運動に於て観察分析する。社会とは常に歴史的社会の謂でなくてはならぬ。この社会の歴史は併し、単に人類の文化の歴史として始まったのではなくて、自然自身の歴史的(自然史的・博物学的)発展の結果発生したものに他ならぬ。故に恰も自然科学者が自然の歴史を博物学的に研究するように、社会科学者は社会の歴史を自然史的に研究し得なければならぬ。こうして初めて、社会の認識は科学的となる(人類社会の自然史)。併しこのことはすでに、社会の歴史の唯物論的分析と弁証法的分析とを想定している。従来の非理論的な社会史は、歴史的現象の単なる発生消滅を羅列し乃至適当に区分するか、そうでなければ、終局に於てこれを人類の精神乃至観念の展開・発達・変遷の結果として説明する態度を抜け出なかったと云っていい。社会の自然史は之に反して、社会の歴史的展開を社会の現実的な物質的地盤から説明する。社会の物質的な発展が社会全般の歴史的発展の終局原因として発見される。ここに社会の自然史が唯物論[#「唯物論」に傍点]を分析方法とする所以がある。所が更に、社会を如何に自然史
前へ 次へ
全200ページ中109ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
戸坂 潤 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング