@的論理学の内容として初めて生命を与えられ得るだろう。つまり論理学は最も厳密な意味に於ける――科学性を有った――哲学と、哲学的世界観の科学的立脚点に他ならない。――さてそこで、人が如何なる哲学を採用するかは、或る観念論者の有名な言葉のように、人々の性格による、のではない。それは何より先に彼が如何なる社会階級と如何なる階級文化とにぞくしているかに依るのである。従って人が如何なる論理学を採用するか、形式論理学を固執するか、弁証法の立場に立つかは、彼のぞくする社会階級と階級文化と、そして実は又彼の心理的素質の高低にさえ、よることである。
[#ここから1字下げ]
(論理学の歴史に就いては、K. v. Prautl; Geschichte der Logik im Abendland. F. Enriques; L'Evolution de la Logique. イタリヤ原文、其他)。
[#ここで字下げ終わり]
底本:「戸坂潤全集 別巻」勁草書房
1979(昭和54)年11月20日第1刷発行
初出:「経済学大辞典 第四巻」岩波書店
1931(昭和6)年10月
「経済学大辞典 第五巻」岩波書店
1932(昭和7)年1月
「経済学大辞典 追補」岩波書店
1936(昭和11)年10月
「教育学辞典 第一巻」岩波書店
1936(昭和11)年5月
「教育学辞典 第二巻」岩波書店
1937(昭和12)年2月
「現代哲学辞典」日本評論社
1936(昭和11)年9月
入力:矢野正人
校正:Juki
2010年4月4日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
前へ 終わり
全100ページ中100ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
戸坂 潤 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング