しても、色彩や形の或る通俗的な美しさ[#「美しさ」に傍点]が、芸術的にも意味を有つのである。
 で、芸術の面白さというものが芸術の大衆性・民衆性の不可欠な要素だと考えられる時の、その面白さとは、実は芸術がまず予め外面的な人間的な面白さを備えているということであり、そしてこの面白さがやがて作品の本当の面白さへの案内人となるという、そういう面白さの駅伝組織が与えられているということでなくてはならぬ。まずごく普通の意味で面白いということから惹きつけられて、いつの間にかその作品が有つ特有の芸術的関心へ導かれるという場合、夫が「面白い」作品であり、そして大衆性を有った作品だと云われるのだ。
 芸術の外面的な面白さと云うのは、ごく普通の面白さということだが、之はごく常識的に誰にでも共通の、平俗で通俗な、安易な甘味さを指すのである。最も抵抗の少ない這入り易い、云わば陥井のような魅力が、この面白さでなくてはならぬ。菓子の甘さや、形や姿や色の綺麗[#「綺麗」は底本では「奇麗」となっている]さ、のようなごく低級と云っていいような面白さが、今は大切なのである。こういう面白さは事実極めて民衆的なもので又大衆的
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