。この場合、空間は知覚の性格を有つ。之は心理学的空間表象[#「心理学的空間表象」に傍点]と呼ばれて好いであろう。空間表象を知覚から分離したものはカントである。カントによれば空間表象は第一に純粋直観[#「純粋直観」に傍点]である――カントの言葉に従うならば「形而上学的[#「形而上学的」に傍点]」空間表象[#「空間表象」に傍点]。第二にそれは直観形式[#「直観形式」に傍点]と考えられる――「先験感性論的[#「先験感性論的」に傍点]」空間表象[#「空間表象」に傍点]。第三にそれは形式的直観[#「形式的直観」に傍点]であることが明らかにされる――「先験論理学的[#「先験論理学的」に傍点]」空間表象[#「空間表象」に傍点]**。何れにしてもカントに於ては空間表象は空間直観[#「空間直観」に傍点]として取り扱われる。このようにして空間概念が一つの直観として性格づけられる時、このことは最も普通であり又最も正当であるらしく思われるであろう。処が空間が知覚であるにせよ直観であるにせよ、それが空間表象である以上は、空間が常に空間意識[#「空間意識」に傍点]であることを注意しなければならない。それであるから
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