れ故現象学的方法に依って空間を取り扱う時、例えばそれは空間直観[#「空間直観」に傍点]として、従って空間概念の性格を不問に付して、研究されることになるであろう。之は恰も O. Becker の貴重なる論文に於て見受けられる処に外ならない*。
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* 「それ故吾々は空間性の現象学的諸層を(第二の)個別化原理として性格づけることが出来る。これの諸要素は全部同時に根源的に与えられることが出来、従ってそれは特殊の直観性を有つ。」(〔O. Becker, Beitra:ge zur pha:nomenologischen Begru:ndung der Geometrie und ihre physikalischen Anwendungen. Jahrbuch 6, S. 77.〕)因みに彼は次のような空間性の諸層を区別した。
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 ┌A. 〔Die pra:spatialen Felder od. Ausbreitungsfelder〕
 │      A1[#「1」は下付き小文字] 〔Sinnesfelder (Seh−, Tas
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