学の分類に就いては後を見よ)。
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* 科学が普通、「根本的で完全した知識[#「知識」に傍点]」などと考えられるのも、この意味からである(例えば B. Bolzano, Wissenschaftslehre Vorrede の如き)。
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 科学と単なる知識との区別が、科学の体系・組織にあるとして、この体系・組織は云うまでもなく体系づけられ組織づけられた結果に他ならないから、そこには当然、体系・組織づけの方法[#「方法」に傍点]がひそんでいる。ヘーゲルは組織に対して方法を軽んじるが、体系と方法とは対立するものではなくて単なる裏表にすぎない。そこで、科学はその方法[#「方法」に傍点]によって、単なる知識から区別される、ということになる。科学の方法が何であるかに就いては、今ここで述べているわけには行かない(第三章を見よ)。
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 だが科学と単なる知識との間の、もう一つの大切な区別は、科学は単に個々人の主観に於て横たわる処の知識とは異って、社会に於て公共的に成り立つ処の、一つの客観的[#「客観的」に傍点]な存
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