からなるというような意見が有力であるが(M. Schlick; P. Frank など)、之は恰も模写説に反対せんがためにそういうのである(P. Frank, Theorie de la connaissance et physique moderne, p.31―1934)。だからこそ吾々は科学が知識[#「知識」に傍点](それは模写だった)の[#「の」に傍点]組織だということを強調する必要があったのである。
[#ここで字下げ終わり]
で、科学は別に特別な知識ではなくて、結局は知識(Wissen)そのものにすぎない。ただ諸実在部分の実在上の集団化・凝結結晶に相応して、夫々一個の単位[#「単位」に傍点]としての統一を受け取った限りの知識集団・知識組織が、科学の資格を持った知識となる*。だから科学は一方に於て、総括的な唯一の単数名詞であると共に同時に又複合名詞でもあるのであるし、他方に於ては、諸科学の体統に於ける夫々の任意のブランチが、夫々一個の独立[#「独立」に傍点]な科学となることも出来る。諸科学の独立・対立による科学分類[#「分類」に傍点]はその客観的根拠をここに持つのである(科
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