―「瞬間は永遠である」、キールケゴールの書物 Der Augenblick 等々)。意味は存在ではないから宇宙的時間の上では零であり、瞬間なのだ。
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* 拙著『現代哲学講話』及び『日本イデオロギー論』〔本全集第三巻および第二巻所収〕に於て、各種の解釈哲学の批評を与えた。
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だが、今認識の目的が意味の解釈ではなくて現実の事物の把握であり、之をマスターすることであるとすれば、こうした解釈の範疇組織は、それ自身独立孤立しては全く用をなさない。普通に感覚と呼ばれているが併し正当には知覚と呼ばれるべきものは、対象と主体との間の物質的な相互の変化作用の心理的結果のことだが、事物をマスターし之を実際的に現実的に認識することは、終局に於てこの知覚に由来せねばならず、又之に由来することをば理論的にも自覚しているものでなくてはならぬ。処でこうした認識は恰も、すでに述べた意味に於ける実験[#「実験」に傍点]という特色を有っているのである。事物を変更することによって或る印象を受け取り、更に之をその事物過程の延長に於てテストし検証することが実
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