ト跡づけられるのである――が、最後の具体的展化に至るまでの歴史過程によって磨きをかけられた処の、痕跡に他ならない。それ故吾々は、理論的[#「理論的」に傍点]な歴史記述をするためには、現在[#「現在」に傍点]に於ける――之が歴史の最も具体化されている時間点である――社会を分析[#「分析」に傍点]すれば好いわけであり、又是非ともそうしなければならないわけである。で、人間社会の歴史記述は、或いは寧ろ歴史的分析[#「歴史的分析」に傍点]は、現段階の社会の、即ち資本主義社会[#「資本主義社会」に傍点]の、理論的分析[#「理論的分析」に傍点]を以て始められなければならない。
 さて、現在に至るまでの社会の、最後の・従って又最も発達した・段階であるこの(近世)資本主義社会は、膨大な商品集積[#「商品集積」に傍点]の世界であるということを、他のものとは異る特色としている。そこでは総括的に云えば、一切の事物が商品として、或いは商品と結び付けられて、最後の社会的意味を受け取る。一切の社会的存在の社会的人的関係は、商品世界によって特徴[#「特徴」に傍点]づけられ、商品の構造の内に自分の構造を集約[#「集約」
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