モネ突然変異ではないが、そうかと言って単なる漸次的推移でもない。量的に見て漸次的である推移が、一定量の蓄積によって、質的な変化を、即ち質的な対立[#「対立」に傍点]を、即ち質的飛躍[#「飛躍」に傍点]、を結果する。社会は弁証法的[#「弁証法的」に傍点]発展をなす、それは分裂を通しての統一によって新しい段階に向って進んで行く。夫は矛盾[#「矛盾」に傍点]と矛盾に於ける統一[#「統一」に傍点]との、矛盾的・弁証法的・統一によって運動する。社会の歴史は矛盾をその動力とする。
 だが歴史の動力としてのこの矛盾は、ヘーゲルの考えたように概念の内に横たわるのでもなく、又吾々の意識とか自覚とかの内に横たわるのでもない。夫は正に、社会に於ける歴史的原因であった処の物質的下部構造に、そしてさし当り、生産諸関係の内部に、潜んでいるのである。と言うのは、元来物質的生産諸関係は、物質的な生産力によって成り立った処の一定形態の関係であったが、一定の発展段階にあった処の生産力が、之に対応する一定の生産諸関係として客観化・具体化されると、生産力自身のその後の言わば自然的な成長にも拘らず、生産諸関係の方はそのまま定着
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