B処がこの社会秩序と考えられるものこそその実質に於て、社会に於ける所有関係[#「所有関係」に傍点]に他ならない。生産という人間的実践が物的体系として定着されたものが所有関係[#「所有関係」に傍点]であり、政治というより高度の複雑な人間的実践が同じく定着されたものが社会秩序[#「社会秩序」に傍点]である。そして生産が社会に於ける生産であるという処から、それが必然的に政治という形態を取らねばならないのである。法律とはこういう政治制度のための観念的な拠り処に他ならない。――政治学[#「政治学」に傍点]はここに成立する。
 法律制度乃至政治制度は、社会の物質的地盤・下部構造である経済関係としての物質的生産諸関係の必然的な結論である。併し、法律制度乃至政治制度は、であるからと言って決して経済関係それ自身ではない。それは経済関係という肉体によって規定されて、初めて一定の形態を取ることが出来る処の、被覆に相当するものである。それは社会の下部構造によって制約されるという意味で、上部構造[#「上部構造」に傍点]と呼ばれて好い。
 法律や政治を社会の上部構造として、社会の下部構造から区別する処のものは、下
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