ヘ併し、労働手段の外に、労働の対象物[#「労働の対象物」に傍点]がなくてはならぬ筈である。労働手段と労働対象とが生産のための手段[#「生産のための手段」に傍点]となる。この生産手段を用いるものは人間の労働力である。この労働力と労働手段と労働対象とを、抽象的にではなく、一定の与えられた社会の発展段階に於て具体内容を有ったものとして、考える時、それがこの生産力に外ならない(マルクスの所謂「抽象的人間労働」による「労働力」も、そういうものとして一定の社会条件の下に具体的内容となった処の、生産力[#「生産力」に傍点]にぞくする)。
 併し、労働手段も労働対象も、生産する個人にとっては、自然的及び歴史的な所与であり、労働手段のそれ以上の発達も労働対象のそれ以上の産出・発見も、この与えられた条件によって制約されている。そればかりではない、このような生産手段の発達は各々の部分に於ては個人の意識的工夫に依存すると考えられるが、その全体に於ては、各個人に対してすでに自分の意志では左右出来ない客観性を持っている。生産手段は個人一般[#「個人一般」に傍点]という仮定物から見れば個人の自由によって発達すること
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