らない。
[#改段]
五 科学と社会
科学が実在[#「実在」に傍点]を模写することは、之を具体的な実質的な反面から云えば、科学が認識を構成[#「構成」に傍点]することだったが、この科学的認識構成の第一の内容は、科学の方法であった。そしてその第二の内容が科学の社会的規定[#「社会的規定」に傍点]、社会に於ける科学の存在条件[#「社会に於ける科学の存在条件」に傍点]である。或いは之を科学の歴史的規定ともそのイデオロギー性[#「イデオロギー性」に傍点]とも呼んでいい理由がある。と云うのは科学は、社会に於ける歴史的一存在物である限りに於て、他ならぬ一つの乃至一定種類のイデオロギーに他ならないからだ。
科学の方法は、その弁証法的な研究方法と叙述方法とに於て見られたように、それ自身論理にぞくする。処が之に反して、科学の社会的[#「社会的」に傍点]規定は、科学のこの論理的[#「論理的」に傍点]規定と対立していると、そう少なくとも普通は考えられているのである。だがよく考えて見ると、科学のこの社会的規定が科学的認識[#「認識」に傍点]構成の条件であった以上、科学のこの社会的規定と雖もその論
前へ
次へ
全322ページ中211ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
戸坂 潤 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング