不確定性原理によって、不可能だという事が原則的に証明された。操作の用具である光の量子は、実験の結果を示されるべき自由エレクトロンの速度と運動量とを予め変化せしめて了うので、示されるものはエレクトロンの元の空間的定位ではなくて、操作によって変化された状態でしかない。この点社会科学に於て、研究活動の作用そのものがその研究対象たる社会にぞくすという関係と、程度の差こそあれ、本質的に別なものではない。
それから一定の必要な理想状態と云っても、夫はその言葉が示す通り理想状態であって、現実に到達し得る状態と夫との間にはいつも或る距離が残されている。不必要有害な外部的影響から絶対的には免れ得ない点では、政府の米穀統制政策の試みの場合と、海底に於ける重力測定のための実験の場合とでは、矢張り程度の差こそあれ、その条件の困難に本質的な変りはない。実験が人工的に比較的随時に行なわれ得るということは、実験を大学の実験室での実験に限って考えるからで、特定の天体観測(之も実験でないという理由はあるまい)、例えば水星のペリヘリオンなどは、決して人工的に随時に行なわれはしない。それは戦争や革命よりもまだ稀だろうから
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