ノよってその意味を異にしている。例えば前の例での一定容積内の分子の諸運動は、初めから大量そのものとしてしか事実上与えられ得ない。之は言葉から云えば言葉通り大量観察ではあるのだが、併し所謂(社会科学などで用いられる意味での)「大量観察」とは性質を全く異にしている。真の大量観察は、事象の個々[#「個々」に傍点]の場合々々を、或る相当の回数乃至個数に至るまで、同時的に或いは時間的に、一つずつ反覆するに及んで、その平均分布を求め、そして初めて得られる処の観察を云うのである。
この後の意味に於ける大量観察の結果得られた材料を、普通「統計」と呼ぶのであるが、統計的操作は次に第二に、この統計材料を統計解析[#「統計解析」に傍点]に掛ける。この統計材料が時間関係を含まない時(時系列[#「時系列」に傍点]をなさない時)は、統計解析は主に分布状態[#「分布状態」に傍点]を与える。即ち大量的に多数な同一種の諸事象は、適当に区切られた区画にあてはめられ、夫々の区画に夫々の散布度が発見されて、一定の高低の段階を有った分布形態が現われるのである。もしこの材料が時系列をなすなら、即ちこの大量的に多数な事象の間に歴
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