Aプリオリではあり得ない。その意味に於てニュートンの自然科学に形而上学的[#「形而上学的」に傍点]な・アプリオリな・原理(Prinzipien=〔Anfangsgru:nde〕)を与えようと欲したカントは、全く失敗だったと云わねばならぬ。相対性理論と量子力学とは今の処殆んど調和的な連絡がついていないと見ていいだろうが、そこから、相対性原理に対する量子力学側からの懐疑と、又不確定性原理乃至因果否定論に対する相対性理論側からの不信とを、今日の物理学者達は告白している。この二つの原則が、従来の物理学を根本的に変革した程(相対的原則はガリレイ・ニュートン以来の古典[#「古典」に傍点]力学を、そして不確定性原則は更にアインシュタインまでを含めた古典[#「古典」に傍点]物理学を、革命的に変革した)、近代自然科学に於て指導的な方法の役割を有っているのだが、それにも拘らず之は全く、実験[#「実験」に傍点]的経験とそれの整頓としての理論[#「理論」に傍点]との経験的所産に他ならなかったのである。
 マルクス主義的史的唯物論の原則(生産力と生産関係との弁証法)も亦、云うまでもなく経験的[#「経験的」に傍点
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