ハ的思惟経済説やボグダーノフ主義)、M・ハイデッガーのアレテ説(真理とは匿されたものを露わにする―〔ale'thes〕―こと)、ヘーゲルの観念に於ける具体的普遍性の見解、其の他其の他のものにも拘らず、そう推断出来ると思う。
[#ここで字下げ終わり]
それ故、一言を以て云えば、科学と実在との関係は、論理[#「論理」に傍点]の問題に帰着する。論理学も認識論も弁証法も、この論理の夫々のモメントを問題とするものに他ならないのだが、この論理の特に科学論[#「科学論」に傍点](夫は「科学方法論」・「科学分類論」・其の他を含む)的な形態が、科学と実在との関係に他ならない。吾々は之までに、之を実在の模写[#「模写」に傍点](知識)と知識の構成[#「構成」に傍点]とによって、説明したわけである。
科学と実在との関係の問題、即ち知識構成の問題(模写の内容に就いての問題も之に帰着するのだったから)は、だから之を三つに分けて取り扱うことが出来る。第一に「科学の方法」、第二に「科学と社会」(イデオロギーの問題)、第三に科学的世界[#「科学的世界」に傍点]の問題。第三のものでは諸科学に於ける体系と諸根本概念
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