ヤとが又相互に対立物であり、永久に食い違ったものであるにも拘らず、却って空間的[#「空間的」に傍点]運動に於て現実的には統一されている。

 だが以上は、自然弁証法の云わば哲学的な部分[#「哲学的な部分」に傍点]に他ならなかった。自然に於ける哲学的[#「哲学的」に傍点]諸範疇の弁証法性を指摘したに止る。この関係は自然に於ける自然科学的[#「自然科学的」に傍点]諸範疇に於て、より具体的に現われる*。但し範疇=根本概念が実在の反映物である所以は、ここに改めて説明を必要とはしないとして。
[#ここから2字下げ、折り返して3字下げ]
* 弁証法の規定は、質の量への転化とその逆、対立物の統一、否定の否定、対立物の相互浸透、等々として挙げられるのを常とする。今はこの一々の規定に沿うて範疇を吟味している余裕がない。自然科学的世界の統一に於ける弁証法にとって、最も重大と思われるのは対立物の統一であるから、今は夫だけを代表的なものとして採用する。
[#ここで字下げ終わり]

 物理学的範疇にまで具体化され特殊化せられた物質は、物[#「物」に傍点]である。物は普通物体[#「物体」に傍点]と考えられる。原子論によれば之は微粒子[#「微粒子」に傍点]である。処がド・ブロイやシュレーディンガーによって確立された波動力学によれば、物質は一種の波動の特殊な組み合わせである物質波動[#「物質波動」に傍点]と考えられる。すでに光に就いても粒子(光素)的規定(ニュートン)と波動的規定(ホイヘンス)とが対立していたが、最近まで電磁波及び一般輻射と共に、光は波動的規定を以て理解されるようになっていた。処が、一般にエネルギーが量子[#「量子」に傍点]という一種の微粒性単位を有つことが発見されたことと連関して(プランク)、光粒子[#「光粒子」に傍点]の存在も明らかとなって来た(アインシュタイン)。すると光と物質とはエネルギー一般と斉しく、同一の規定を以て規定されざるを得なくなる。でここから却って、光の波動的性質が、物質にも帰せられ得ることとなった。かくて物質は粒子であると共に波動であるという、歴史的に云って相互に矛盾して相容れなかった規定が、統一されざるを得なくなったのである*。之は一般的に云い表わせば、断続[#「断続」に傍点]と連続[#「連続」に傍点]との弁証法統一を実証するものであって、数学に於ては断続か
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