ヘ技術[#「技術」に傍点]だけだ、と考えられる。
[#3字下げ]三[#「三」は小見出し]
さてジャーナリズムとアカデミズムとを一応こう対立[#「対立」に傍点]させるとして、二つのものがどういう連関[#「連関」に傍点]にあるかが問題となる。――二つのものは事物に対する人々のイデオロギー的活動の、あり得べき二つの態度なのである。イデオロギー的活動のこの二つの契機乃至形態は、夫々が社会の上部構造のものであったということから、必然的な連関を与えられる。
抑々ジャーナリズムは歴史的社会の運動の本質に於て一つの必然的な役割を有っている。それは社会の歴史的発展の運動形式に忠実であることを一時も忘れない処の、イデオロギーの運動形式なのである。だがそれが基本的な――下部構造としての――歴史的社会の運動にあまり忠実であろうとすることから、この忠実さが却って姑息な形骸となり、結果としてジャーナリズムは歴史的社会の運動を指導する独立なそれ自身の原理を見失って了うということにもなる。かくて人々によればジャーナリズムは全く無定見な日和見に時を費すものであるかのようである。
処がアカデミズムは丁度之に反し
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