ナある。
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* フランシス・ベーコンの『市場の偶像』を参考せよ。
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 ジャーナリズムをこう規定すれば、之に対立するアカデミズムは割合簡単に決定出来る。アカデミーという言葉が、アカデメイヤに建てられたプラトンの学壇から起こったように、アカデミズムは教壇[#「教壇」に傍点]という特殊[#「特殊」に傍点]な――一般的でない――社会的存在条件を仮定している。それが人々の一般的な[#「一般的な」に傍点]日常生活の圏外に初めから逸していることを注意せねばならぬ。そこでは、常識は未熟なドクサとして、高貴な真理[#「真理」に傍点]から峻別されねばならない。と云うのは、一定の学派的訓練[#「学派的訓練」に傍点]によってしか見出されないような伝統的問題[#「伝統的問題」に傍点]の解答としてしか、真理は真理として現われることが出来ぬ。アカデミズムは一般社会[#「一般社会」に傍点]の現実行動的・時事的・な諸関心とは関係なく、アカデミーと呼ばれる特殊な社会圏だけにとってしか問題にならない問題に専ら関心を制限する。だから例えば社会科学などに就いて云
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