ホそれはエンサイクロペディック[#「エンサイクロペディック」に傍点]な特徴を有って来る。常識とは実際そういうものではなかったか。――元来ジャーナリズムは常に話題[#「話題」に傍点](Topik)に上り得るものでなければならない。話題とは凡ゆる部門的な分科的な事物が、言葉[#「言葉」に傍点]という共通な場処[#「場処」に傍点](Topos)をめざして集まる[#「集まる」に傍点]ことを示唆する言葉である。この集まる場処は市場[#「市場」に傍点]の外ではなく、そこで一切の知識が交換され(ニュース・評判)、訂正総合され(議論)、又誇張されたり捏造されたりする(虚偽[#「虚偽」に傍点])。かくて常識[#「常識」に傍点]――ドクサ――が養成される、神話[#「神話」に傍点]や世論[#「世論」に傍点]が出来上るのである*。やがてここで又範疇[#「範疇」に傍点]――之は公衆に向って語ることを意味する言葉で市場[#「市場」に傍点]と語原を同じくする――が発生し、論理[#「論理」に傍点]が構成され、理論[#「理論」に傍点]が出来上る。之が哲学的世界観に外ならない。哲学は常識のものであり、ジャーナリズムのもの
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