\―イデオロギー――と呼ばれるものと結び付いている。人間の社会的実践が政治に於て最も著しいとすれば、この実践を顕著に反映する意識が、所謂思想なのである。思想とは併し常に、哲学的[#「哲学的」に傍点]・世界観的[#「世界観的」に傍点]・意識の外ではない、政治は思想に、思想は哲学に、同伴する、政治学は元来哲学の重大な一部門であった。――処でジャーナリズムの内容は、社会人の有っている世界観・哲学・の一つの直接な表現でなくてはならない、そこでは世相[#「世相」に傍点]が躍如として現われる。例えばジャーナリズムが何か非日常的・超常識的・非時事的・非政治的な部門の学芸を取り扱う時も、必ず之に何か思想的・哲学的・世界観的・な視角を与えることによって、之を時事化・政治化・現実行動化することを忘れないだろう。
この現実行動性・時事性から出て来るジャーナリズムのも一つの規定は、その総合統一性[#「総合統一性」に傍点]である。というのは、ジャーナリズムはその世界観的統一[#「統一」に傍点]によって、各々の専門的[#「専門的」に傍点]な諸科学を、又各々の分科的な諸文化を、初めて連関せしめることが出来る。云わ
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