カ在」に傍点]乃至事実[#「事実」に傍点]の上からは現実性[#「現実性」に傍点]として、行為[#「行為」に傍点]の上からは活動性[#「活動性」に傍点]として、生活[#「生活」に傍点]の上からは社会性[#「社会性」に傍点]として、規定されねばならぬ。吾々の日常生活・常識の世界・の積極的な内容は恰もこうしたものなのである。常識の主体と考えられる公衆が、公衆として関心を持つ問題は実際、こうした規定によって理解出来る処の時事問題[#「時事問題」に傍点]なのであって、時事問題とは言葉の通り、決して永久な問題ではあり得ない、公衆が健忘症である所以である。
 現実行動性によるこの時事問題は併し、常に政治的性格[#「政治的性格」に傍点]を有っている、日常生活は実践性[#「実践性」に傍点]――社会活動性――を有っているが、そうした実践性が含蓄ある意味での政治性に外ならない。事実所謂政治は、良い意味に於ける常識によって取り行われるべきだと、デモクラシーの理想は教えている。政治に玄人はあってはならぬ、凡ての人が、政治に干与しなければならないと。
 処がこの政治的・時事的・問題は常に、思想[#「思想」に傍点]
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