ナあったと云われる。
[#ここで字下げ終わり]
処が他方ジャーナリズムは、もっと立ち入って考えて見ると、報道物[#「報道物」に傍点](Nachrichtenwesen[#「Nachrichtenwesen」は底本では「Nachrichtenwessen」])――そういう一つの交通関係[#「交通関係」に傍点]――に外ならないとも見られねばならない。そうすれば夫は一切の過去の又現在する諸民族の――原始民族さえの――生活のある処に悉く伴うものでなければならぬ。この点から見ればジャーナリズムは決して、現代にだけ特有なイデオロギーの形態なのではない。
併しそれがどれ程古い時代からあったにせよ、報道乃至交通というこの後の意味でのジャーナリズムも亦、人間生活の物質的な生産諸関係――社会の下部構造――に対する上部構造であるという点で、依然としてイデオロギーの資格を持っていなければなるまい。そうすれば之は、イデオロギーの――現代にだけ特有であるような――歴史的一形態[#「歴史的一形態」に傍点]ではないにも拘らず、なおイデオロギーの――云わば本質的[#「本質的」に傍点]な――一契機[#「一契機」に傍点
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