う(第六章を見よ)。こうして一切の意識内容や文化形象は、イデオロギーの論理的範疇論によって処理されるのである*。
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* イデオロギーの論理学乃至範疇論は、意識や文化の心理学的・社会学的・研究を決して除外するものではない。却って之こそがイデオロギー論の肉付けとなるものである。同様に、併し更に重大なことは、イデオロギーの論理学乃至範疇論が、イデオロギーの歴史的記述[#「歴史的記述」に傍点]を除外する処ではなく、却ってそれ自身、具体的な内容から云えば、イデオロギーの歴史の原理的な記述[#「原理的な記述」に傍点]だということである。一体論理とは存在の歴史的必然性の反映に外ならなかったからである。
[#ここで字下げ終わり]
[#3字下げ]二[#「二」は小見出し]
イデオロギーが意識として規定される側面から云うと、イデオロギー論は、イデオロギーの心理学・論理学・範疇論となった。今度は之を一つの歴史的社会的存在として規定する側面から、イデオロギーの社会学(そう仮に呼ぶとして)へ行こう。
イデオロギーの社会学と云うと、人々は多分、社会学が近来好んで取
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