[#「階級性」に傍点]が真理[#「真理」に傍点]を選ばせる。――だが、そうは云っても階級性そのものが真理を成り立たせるのではない、客観的[#「客観的」に傍点]真理は主観的[#「主観的」に傍点]な階級性を超越して通用しなければならない。尤もそう云っても、単純に機械的に、真理は客観的でなければならず之に反して階級は主観的に過ぎないなどと、考えることは許されない。問題は、主観的な階級が或る場合何故客観性[#「客観性」に傍点]を有つことが出来又有たねばならぬかということの、具体的な弁証法的な理解にあるのである(例えば自然弁証法に於て、自然[#「自然」に傍点]の客観性と階級[#「階級」に傍点]の主観性とを無媒介に対立させて、之かあれかを問うことなどは、独りよがりな饒舌家がしそうなことである)。
(プロレタリア)イデオロギーの――主観的な――階級性[#「階級性」に傍点]が論理上の客観性[#「客観性」に傍点]を持ち得また持たねばならぬということは、社会の持つ歴史的必然性[#「歴史的必然性」に傍点]からの直接な結果に外ならない。歴史的社会がその内的必然性によって是非ともかくかくに運動せねばならぬという
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