ッされたものとなることが出来るだろう。そういう意識されてはいないが意識され得るような無意識[#「無意識」に傍点]は、彼に従えば真の無意識ではなくて単に「前意識」に過ぎない。真の無意識はこれとは異って、通常の条件の下では如何にしてもその内容が意識され得ない[#「され得ない」に傍点]ものを指す。意識の底の深みには、この無意識が横たわる。――だがなぜ無意識は意識内容となることが出来ないのか。それは前意識に於て働いている一定の検閲制度[#「検閲制度」に傍点]がそれを禁止するからなのである。
検閲とは精神に対して外界から採用された禁止と命令に外ならない。即ち、意識といい無意識といい、一見全く個人心理にぞくするものには違いないが、両者の区別を与えるものとして、個人心理以外の世界がそこで役割を果している。人々は自分では意識することなしに、社会[#「社会」に傍点]条件――遺伝・習俗・道徳・法律其他――によって抑圧されたものを、意識から遠ざけ、社会によって強制されたものだけを意識の上に齎らす。云い直せば、意識とは社会によって解放され又は強要された限りの無意識である。だから、意識はその意味に於て社会[#
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