の認識社会学は、イデオロギー論を回避することが出来る。だが彼は何故に歴史的原理と論理の問題とを回避しなければならなかったか。事階級[#「階級」に傍点]に関わるからであった。彼にとっては、階級の代りに、個人[#「個人」に傍点]か又は人間一般[#「人間一般」に傍点](社会[#「社会」に傍点])かしかない。個人主義化[#「個人主義化」に傍点]し、やがてコスモポリタン化[#「コスモポリタン化」に傍点]すということが、人間の精神の発展なのであった。階級の這入る余地はどこに与えられているか。階級的であると同時に超階級的であったコントの知識社会学の矛盾は、このような仕方に於て――階級性を引き去ることによって――誠に能く整理される。イェルザレムの実証主義的知識社会学の承継[#「承継」に傍点]と復原[#「復原」に傍点]との秘密は茲に横たわる。
[#3字下げ]三[#「三」は小見出し]
コントのイデオロギー論は、プロレタリアに名を借りた処の、ブルジョアジーのイデオロギー論であった。それは恰も、フランス革命が無産者農民を動員して行われた有産者的市民の革命に外ならなかったことに対応する。ブルジョアジーの成
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