それは理論や科学の核心にまで、論理[#「論理」に傍点]の構成要素(範疇・概念)にまで、突き進む。かくて、論理[#「論理」に傍点]が社会的[#「社会的」に傍点]に説明しつくされるかのようである。――だがこの論理はまだ本来の論理ではなく、この社会はまだ本当の社会ではない。何故か。
 範疇乃至概念は、それ自身に於ては真理[#「真理」に傍点]でもなく虚偽[#「虚偽」に傍点]でもない、形式論理学に於ても真偽は判断まで来て初めて問題となる。範疇や概念自身は論理的に無記であることを一応人々は承認すべきだ。そうすれば範疇乃至概念は、確かに論理の要素であるにも拘らずそれ自身では論理的[#「論理的」に傍点]ではない、蓋し論理は価値に関わる、その価値が真理と虚偽とであった。であるから、範疇が社会的に決定されると云っただけでは、又は、それを基礎にして多少の展開を与えたとしてもそれだけでは、まだ本来の「論理[#「論理」に傍点]」が「社会[#「社会」に傍点]」的に決定されるということにはならないわけである。併し、もっと悪いことには、この「社会」すらがまだ社会ではない。なぜなら、社会の実質は歴史[#「歴史」に傍点]
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