T点]から云って、精神に先立つ。このことは併し、シェーラーに特有な現象学の方法に従えば、決して、単に静止的・超時間的な本質関係を意味するだけではない、衝動と精神との上下のこの階層関係は、社会の歴史的発展[#「発展」に傍点]に際しても亦行われるのでなければならない、この関係は亦発展[#「発展」に傍点]・前進[#「前進」に傍点]・法則[#「法則」に傍点]でもなければならない、と彼は主張する*。――実際、現象学的な所謂本質に、この意味に於て可変的[#「可変的」に傍点]な性質を与えるのでなければ、歴史的社会的存在の「現象学」的分析ほど、無意味なものは又とあるまい。
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* Probleme, S. 12.
[#ここで字下げ終わり]
精神は衝動の上部構造である、歴史的社会――それはシェーラーによれば要するに人間[#「人間」に傍点]生活である――の根本動力は、従来の有態で露骨な観念論の体系とは反対に、精神ではなくて却って生物的な衝動であった。精神は今やその限り少くとも衝動の前には譲歩しなければならない。
そこで精神はシェーラーによって、極めて謙遜な役割を
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