ュ、進化論がマルクス主義的唯物史観――コンミュニズム――と連帯関係にあることを注意すれば、もっと明らかに判るだろう。クロポトキンも亦生物学的認識から出発する。古典的社会学がその生物主義によって促進されたのも事実だろう。遺伝学――獲得質遺伝の問題――とか優生学とかは、極めて強い政治的・社会的な特徴を有っている。自然科学の内で最も露骨にイデオロギー性――階級性――を有つものは生物学なのである。
 この点から必然的に出て来ることであるが、生物学は数学や物理学に較べて、著しくジャーナリスティックな性質を表わすことが出来る。だから又、そこではアカデミズムとの対立が屡々重大な関心事をなすのである。G・フロイトの精神分析学――フロイト主義――は、生物学が、医学や心理学との連関に於て、云い表わされたものに外ならないが、之は今ではジャーナリズムを支配する一つのイデオロギー・思想であって、文学者達さえが之を好んで口にすることを忘れない。処が固陋な或いは慎重なアカデミズムの上では、フロイト主義は必ずしも科学的信用[#「信用」に傍点]を有っているとは限らないように見受けられる。吾々はこの一例に於ても生物学イデ
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