A体系[#「体系」に傍点]と呼ばれる。体系は立場の上に立つ。尤も体系的であることは時に、組織的であることを、即ち組織的方法[#「方法」に傍点]によることを、意味するであろう。処が今云う体系は恰も方法に対立する処の体系なのである。さてかかる体系は必ず一つの完結した終止を云い表わす。現実に於て成り立つ体系は必ず常に不完全であるから、体系は事実上決して静止していないには違いないが(例えば開放的体系[#「開放的体系」に傍点])、併しそれにも拘らず体系の概念は、現実的乃至理想的な一つの状態[#「状態」に傍点]――静止――を指し示す。例えば同じ目的行動であっても、既に一定の内容が這入った限りの目的を実現しようとする場合と、そうではなくして何かの目的内容を決定するために行動している場合とでは、目的の概念は異る。前の場合の目的は既知の理想状態[#「理想状態」に傍点]であり、後の場合の目的は行動の一般的動力に過ぎない。丁度この意味に於ける理想状態の状態という意味で、体系は状態であるのである。体系はそれが組織されつつある・体系立てられつつある・現実の瞬間――現在――に於ては、それ自身と矛盾する。何となれば
前へ 次へ
全268ページ中87ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
戸坂 潤 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング