[#「先行」に傍点]し、之を優越する。
 もし仮に理論の性格がそれの有つ問題[#「問題」に傍点]に於て理解される代りに、それが立つと考えられる立場[#「立場」に傍点]に於て理解されたならば、それから結果する代表的なるものは理論の原理的な水掛論でしかあり得ない。
 吾々は立場と問題との二つの概念の関係をより明らかにする必要がある。

 どのような理論も形式上は[#「形式上は」に傍点]――還元性に於ては(前を見よ)――問われ[#「問われ」に傍点]たるものに対する答え[#「答え」に傍点]として展開する。形式上では問いが先立たない理論はないのが事実である。それ故理論の形式的[#「形式的」に傍点]構造が「問いの構造」と呼ばれることはその限り正しい。恰も問題[#「問題」に傍点]はこの問いに結び付いて理解されそうである。問いの構造とは、問うことが如何にしてなり立つか、即ち吾々が何に基いて問いを発する可能性と必然性とを有つか、という問題であるが、この問題は思うに、問うことそれ自身が吾々人間的存在の意識の根本規定であるから、と云って答えられるであろう。茲にあるものは問いという出発[#「出発」に傍点]の問
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