或る一定の問題[#「問題」に傍点]を解き又は提出せんがために、そのような動機に於て、最も適切な立場が採用されているというのが、正直な事実なのである。故に理論をして理論たらしめる終局的[#「終局的」に傍点]なるもの――一定の警戒の下にこの言葉を使うとして――、云い換えれば理論をして理論たらしめる性格的なるもの、即ち論理的基礎[#「論理的基礎」に傍点]・根拠[#「根拠」に傍点]ではなくして性格的動機[#「性格的動機」に傍点]、之は立場の整合[#「立場の整合」に傍点]ではなくして問題の把握[#「問題の把握」に傍点]に存する。吾々が理論の体裁を具えた一切の理論に就いて――理論になっていない理論は別である――、その性格を決定するためには(例えば此理論は真であり又は虚偽であり、彼の理論は卓越し又は愚劣である等々)、その理論を還元する処の――従ってその理論の性格を破壊して了う処の――所謂立場を、終局的な標準とすべきではない。そうではなくして正に、その理論をその立場にまで動機づけた処の、問題が、何であったかを、第一義に最勝義に問うべきなのである。問題[#「問題」に傍点]は立場[#「立場」に傍点]に先行
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