自明なことではないから、それを決定する独立な標準が他になくてはならぬ。処がこの標準というのが人々が想像するように立場――それは整合であるべきであった――なのではない。そこには立場以外の概念が必要であることを人々は認めないわけには行かぬであろう(以上のことは深刻・浅薄、高貴・卑賤、等々に就いてその通りに通用する)。立場以外のこの概念――例えば如何いうことが具体的(又は具体的立場)であり何が抽象的(又抽象的立場)であるかを決めるものこそ之である――は何であるか。之を決めることが吾々の目指す目的なのであるが、そこに行き着くための用意として前に一つの主張を掲げておいた。曰く、等しい資格で而も異った立場[#「等しい資格で而も異った立場」に傍点]があるのであると。但しこの場合立場が正に、立場としての立場――整合――であることは、今述べた処である。さてそのような場合の立場は何処に在るか。その代表的な一例を立場としての――他のものとしてのではない――絶対主義[#「絶対主義」に傍点]と相対主義[#「相対主義」に傍点]との対立に見出す*。
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* あり得べき多くの立
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