一つの立場は、立場としての立場[#「立場としての立場」に傍点]は、もし今仮に立場としての資格を等しくする他の一つの立場があるとすれば、之に対しては勝敗を決することが原理的に不可能であるであろう。そしてそのような、等しい資格で而も異った立場[#「等しい資格で而も異った立場」に傍点]が、実際あるのである。
併しそれより先に、立場とは何か、又立場としての立場とは何を意味するか、人はそう問うに違いない。吾々はそれに答える。人々は立場を様々に形容する、高い立場・低い立場、深い立場・浅い立場、広い立場・狭い立場、具体的立場・抽象的立場、等々。処が例えば麗わしい立場・善なる立場、等々は稍々正常な言葉ではないであろう。立場はそれ故前に挙げた諸規定(又はそれに類する)によってのみ形容されるべき概念であるに違いない。そこで人間の論理はこの時、高さ低さ、深さ浅さ、広さ狭さ、具体的抽象的、等々そのもの[#「そのもの」に傍点]を以て、立場の概念そのものと等値することが出来るのである。人々が普通持っている立場の概念は恐らく之ではないか。処が高さや低さは、立場の規定には限られない、高き霊・低き霊という言葉は、
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