的」に傍点]と呼ばれているであろう。私は嘗て把握的概念――それは性格的概念を指す――をこの構成的概念から区別した*。
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* 『思想』八〇号「空間概念の分析」〔本全集第一巻所収〕参照。
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例えば数論に於けるイデアールとか、又電子とかは、主として非性格的概念として現われる。之に反して茶碗とか国家とかは主として性格的概念として現われるであろう。少くとも数論自身の内に於てはイデアールは性格をもつことは出来ない、その本質[#「本質」に傍点]が一義的に決定されている。尤もイデアールの哲学的解釈は恐らく性格的であることが出来るであろう、――茲に非性格的概念は性格的概念に変化し得ることが示される。従って又非性格的事物は性格的事物へ変化することが出来る。或る一つの概念は場合々々によって性格的概念とも非性格的概念ともなることが出来るのである。性格的と非性格的との区別には元来明白な限界[#「限界」に傍点]はない、何となれば両者の区別自身が性格的[#「性格的」に傍点]であるのであるから――前を見よ。同じく、物理学乃至化学自身の内に於ては電子概
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