点]であるのはただこのような意味に於てであり、それが通路[#「通路」に傍点]を用意し方法[#「方法」に傍点]的であるというのも従って亦この意味に於てである。性格とはそれ故最後に、歴史的運動の動力因子として働くものの謂である。性格は優れたる意味に於て歴史的である。それが人間的[#「人間的」に傍点]であった所以である。

 日常的な具象的事物――そうではない事物に就いては知らない――に就いて、その理論[#「理論」に傍点]――それはこの事物の一つの歴史的運動である――は、それであるから性格[#「性格」に傍点]によって制約せられていなければならない。性格概念はここに一つの理論的使命[#「理論的使命」に傍点]を持っているのである。処が吾々が理論を論ずる今のこの理論――それは理論という日常的な具象的事象に就いての理論である――に於て性格として機能するものが、とりも直さず又性格概念[#「性格概念」に傍点]であるのである。云い換えるならば、吾々が性格概念[#「性格概念」に傍点]を取り出すことによって、理論一般に関する理解を運動せしめることが出来ると云うのである。茲に性格概念の理論的使命の第二の場合が横
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