り他方に於て低質[#「低質」に傍点]である。多衆は強力にして低質なる勢力、云わばデモン・悪鬼の類ででもあるようである。多衆としての多衆、単なる・抽象的なる多衆、多衆一般[#「一般」に傍点]、何等の条件[#「条件」に傍点]をも有たない多衆、例えばそれが有産者の多衆であろうが無産者の多衆であろうがそのような二次以下の条件を特に[#「特に」に傍点]超越した限りの多衆自体[#「自体」に傍点]、このような民主主義的[#「民主主義的」に傍点]多衆概念は、恰も今指摘した強力と低質とを、その二重性として、矛盾として、持っている。かかる民主主義的矛盾はみずからを、民主主義と貴族主義との、相対主義的・シーソー的対立として反映するのがその報いであるであろう。――今もしこのような多衆概念を以て大衆[#「大衆」に傍点]の概念に代えるならば、その時の大衆概念は恰も、最初に述べた処のかの非大衆的大衆概念[#「非大衆的大衆概念」に傍点]であったであろう。彼処に於て見られた大衆概念に於ける矛盾は、とりも直さず茲で見られる多衆概念に於ける矛盾――圧倒性と低質性――であったのである。それ故、大衆は単なる多衆[#「単なる多
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