問題となるに価するだけの積極的な価値の所有者でなければならない。そこでは大衆とは、単にその或る一面に於てのみではなくして凡ゆる点に於て優越な[#「凡ゆる点に於て優越な」に傍点]一つの勢力、を云い表わす言葉である。否そういう勢力を云い表わすためにこそ、この言葉が現在選ばれているのである。
大衆は併し他方、非大衆(反大衆)に対立[#「対立」に傍点]する処の一つの集団[#「集団」に傍点]を意味する*。従って今云ったことから、大衆は非大衆を優越する処の集団を意味しなければならない。大衆という言葉が現代に至って初めて重大さを持って来たその言葉の意味に於ける大衆はそうなのである。
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* 大衆は併し群衆[#「群衆」に傍点]とか公衆[#「公衆」に傍点]とかいう集団では無論ない(群衆と公衆との区別に就いてはタルドの≪L'opinion et la foule≫を見よ)。蓋し大衆とは政治的[#「政治的」に傍点]概念であって、このような社会学的[#「社会学的」に傍点]概念にはぞくさない。――社会学的とは、主として、歴史的・実践的・従って又政治的・原理[#「原理」に
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