於ける否定・止揚が困難[#「困難」に傍点]なものと思われる所以が茲にある。
 自然科学のこの超歴史性は、その方法機関に現われる。歴史的科学の唯一の科学的機関である分析的方法[#「分析的方法」に傍点]は歴史的事物に関する分析であるばかりでなく、同時にそれ自身が歴史的段階と相関的に[#「歴史的段階と相関的に」に傍点]、歴史上発展する性質をもつ。之に反して自然科学の機関である実験[#「実験」に傍点]と解析的操作[#「解析的操作」に傍点]は、人間的行為の――従って歴史の――除外を齎す最も確実な手続きであるであろう。無論之も歴史的に進歩するのではあるが、原理的に言って、それが歴史的現段階[#「現段階」に傍点]と相関的であるのでは決してない。実際、実験の一定の方法と結果とは、ただ数代に渡る知識の蓄積によってのみ組織立てられ、数学的操作は数千年の片々たる業績の積堆の外ではない。吾々はただ之を継承[#「継承」に傍点]し発展[#「発展」に傍点]させる外に余地を持たぬようである。新しい時代の新しい現実に立脚して之を批判し検討することは、過去の業績に相当するだけのものを今日再蓄積・再積堆することを意味するか
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